イマジーンタイムズNo.00015東日本大震災訪問記 第6話

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2012.3.23 地球と共生するくらしかたって何だろう?



  • 2011/10/8
  • 文: 小林郁美
  • 記事No: 00015

東日本大震災訪問記 第6話【「心の被災」に目を向ける】


 3・11からどれだけ経ったのでしょうか。あの日から遠く長いような思いもします。昨日のことのように感じられることもあります。

 震災記も最後にアップしてから数ヶ月がたちました。

 その間、私たちは被災地と様々な関わりを持ってきました。今、ボランティアをはじめ、必要とされている活動のスタイルが変わってきています。ここではその一端をご紹介することで、震災記の続きとさせていただきます。

 今回の舞台となるのは「南三陸町」。


 まずはそこであった忘れられないお話から筆をとることにしましょう。



【心の被災】

 「やっと玄関に花を飾れるくらいの気持ちになれたの。」

 私たちを出迎えてくれた大きなユリの花の側で、宿泊先「ながしず荘」のおかあさんはそっと打ち明けてくれた。花瓶は外で見つけて拾ってきたものだそうだ。

 震災から4カ月半。地震や津波は建物など目に見えるものだけでなく、多くの人の「心」を根こそぎ奪っていった。街並みは徐々に片付いても、心が片付くことは容易ではないだろう。


【コミュニティカフェ「お茶っこ」】

 私は7月下旬に大学のプロジェクトのもと、3泊5日で宮城県南三陸町を訪れた。私が主に携わった活動は、「お茶っこ」の愛称で親しまれるコミュニティカフェの運営であった。仮設住宅の近くにテントをたて、自然と集まった人がお茶を飲みながらお話できるスペースを開く。

 お知らせの配布や情報を得る方法のひとつとしてTwitterの紹介をしながら、仮設住宅の訪問も行った。育てているお花がきれいですね、そんな世間話で顔がほころぶこともあれば、日陰がなくて困っている、といったニーズを伺うこともあった。

 なぜ今、このような取り組みが必要とされているのか。

 その主な目的は、「孤立」を未然に防ぐことにある。阪神淡路大震災のときには、孤立が原因となってアルコール中毒になってしまう人や、自殺に追い込まれてしまう人が多くいた。ショックや恐怖、不安、悲しみ……。そうした震災による心の負担は、日常生活の混乱に隠れて、時に意識される以上の重みを持つ。

しかし、定期的にお茶っこできる場所があったり、家に来てくれる人がいたりしたらどうだろう。玄関先の立ち話やテーブルを囲んでの何気ない会話が、気持ちの捌け口になることもある。

 同じような試みとしてあるのが、東松島市の避難所・仮設住宅でも定期的に開かれている「パラソル喫茶」である。これは「NPO法人たすけあいの会 ふれあいネットまつど」が孤立防止、地域コミュニティの再生を目的として定期的に行っているイベントである。来店者は1日あたり数百人を記録し、多彩なオープンカフェとなっている。



 ほんの数日の活動で、私が南三陸の方々のためになれたかどうかはわからない。けれど、一方で私自身はたくさんの「ありがとう」を言っていただけたことに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいである。

 そして、お茶っこや仮設住宅の訪問を通してのコミュニケーションは、そのいずれもが、私と相手との「ただひとつの関係」であった。そこには一人ひとりの顔があり、話があり、人生がある。ボランティアと被災者としてではなく、人と人としての関係の大切さは、南三陸に訪れたからこその気づきであった。


【これからボランティアへ行く人や、行くことを考えている人へ】



 これは南三陸を案内してもらっていたときのこと。

 「家が残っていても、家が流されてしまった人と距離感ができてしまったりするし、残された方もつらいんだ。」

 津波の甚大な被害を目の当たりにしながらその言葉を聞いたとき、私は現地の方々の深い悲しみや喪失感はとうてい理解できないと思った。しかし理解することができなくても、ただ共感し、寄り添うことはできる。

 そうした関係をもつことは、もはやボランティアと被災者という関係ではなく、人と人との関係といえるだろう。心の被災の処方箋は、人と人とが「ただひとつの関係」をいくつも、いくつも築いていくことに尽きるのではないか。

 しあわせには「幸福」という意味の他に「めぐりあわせ」という意味があるそうだ。人と人が出会ってはじめて生まれる「しあわせ」に、光をあててみてほしい。

つづく。

 

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