- 2011/6/18
- 文: 松元祐太
- 記事No: 00014
水のこれからを考えよう!
~ネパールという国―都市化と深刻な水事情~
【ヒマラヤを抱く国、ネパール】
さっそくですが、みなさんはネパールという国をご存じでしょうか。
「う~ん、聞いたことはあるけどそれ以上は・・・」という声が聞こえてきそうです。
そうですよね。多くの人はこのように名前は知っていても、どのような国かあまり知らないのではないでしょうか。
ネパールと言えば何といってもヒマラヤ山脈、エベレスト (チベット語:チョモランマ) があることで有名です。これを聞けば「あ、知ってる!」となるかもしれませんね。
【水はどこからやってくる?】
さてところ変わって、山というと日本も山岳国です。日本の土地のうち山間部が7割を占めますが、その山のおかげで私たちは美味しい湧水を飲むことができます。また普段、私たちが使う水道水も山から流れてくる水を利用したものです。
日本はその山のおかげで、水不足という問題はしばしば起こるものの、ほぼ常に美味しい水を、しかも心配することなく口にすることができます。
それならば日本と同様にネパールも水に恵まれているのでは?と思う人が多いかもしれません。
しかし実際は正反対なのです。
そもそも蛇口をひねれば水がでる、しかもその水をそのまま飲めるという、整備された水道があるのは世界のごく一部の国だけです。発展途上国の水事情というのは極めて悪く、中でもネパールは一層悪い地域なのです。
【ネパールの水事情】
旅行のガイドブックを見ていると必ず書いてある項目があります。それが「水事情」です。
各国のガイドブックをのぞいてみるとインドやバングラデシュは「悪い」という評価がされているなか、ネパールの評価は「極めて悪い」というものでした。
そしてその水事情の悪さは、水を毎日当たり前のように何事もなく口にしている私たち日本人にとっては想像を超えるものです。
具体的にいうと、たとえば首都カトマンズでは、毎日決まった時間にしか水がでません。時には2日に1時間しか水が出ないということもあるそうです。しかもその水はとても衛生的とはいえず、慣れていない外国人などはそのまま口にすることはできません。
【水問題ってなんで起きるの?】
原因の一つとして指摘されているのが、都市の発展に整備が追いつかないというものです。多くの人が仕事などを求めて都市に集まってきますが、その都市の開発、整備が追いついていないということです。水道管などのインフラが整っていないので、水問題が発生してしまうのです。
【急激な発展がもたらす悲劇】
ネパールは開発から取り残された国――後発開発途上国――だと言われています。そもそも人々が街に集まることで経済は発展します。人が集まることでそこで雇用が生まれ、消費が行われるのです。
そのため人が都市に集まることは発展には欠かせません。ネパールでも人々は少しでも生活が豊かになることを求めて、職を探しに都市に集まってきます。しかし都市に人口が集中した結果、水問題と言う別の開発の問題が起きてしまうのです。
表面的に政治が悪い、都市整備が追いつかないのは行政に責任があるというのは簡単なことです。
しかし問題の背景まで意識すると、経済的な豊かさを得るために都市に多くの人々が流入せざるを得なかった状況も見えてきます。そのこともよく考える必要があるのではないでしょうか。
「都市化」は必ずしもすべてをよくしてくれるわけではない、これを忘れてはならないということをネパールの水事情は教えてくれます。
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さっそくですが、みなさんはネパールという国をご存じでしょうか。
「う~ん、聞いたことはあるけどそれ以上は・・・」という声が聞こえてきそうです。
そうですよね。多くの人はこのように名前は知っていても、どのような国かあまり知らないのではないでしょうか。
ネパールと言えば何といってもヒマラヤ山脈、エベレスト (チベット語:チョモランマ) があることで有名です。これを聞けば「あ、知ってる!」となるかもしれませんね。
【水はどこからやってくる?】
さてところ変わって、山というと日本も山岳国です。日本の土地のうち山間部が7割を占めますが、その山のおかげで私たちは美味しい湧水を飲むことができます。また普段、私たちが使う水道水も山から流れてくる水を利用したものです。
日本はその山のおかげで、水不足という問題はしばしば起こるものの、ほぼ常に美味しい水を、しかも心配することなく口にすることができます。
それならば日本と同様にネパールも水に恵まれているのでは?と思う人が多いかもしれません。
しかし実際は正反対なのです。
そもそも蛇口をひねれば水がでる、しかもその水をそのまま飲めるという、整備された水道があるのは世界のごく一部の国だけです。発展途上国の水事情というのは極めて悪く、中でもネパールは一層悪い地域なのです。
【ネパールの水事情】
旅行のガイドブックを見ていると必ず書いてある項目があります。それが「水事情」です。
各国のガイドブックをのぞいてみるとインドやバングラデシュは「悪い」という評価がされているなか、ネパールの評価は「極めて悪い」というものでした。
そしてその水事情の悪さは、水を毎日当たり前のように何事もなく口にしている私たち日本人にとっては想像を超えるものです。
具体的にいうと、たとえば首都カトマンズでは、毎日決まった時間にしか水がでません。時には2日に1時間しか水が出ないということもあるそうです。しかもその水はとても衛生的とはいえず、慣れていない外国人などはそのまま口にすることはできません。
【水問題ってなんで起きるの?】
原因の一つとして指摘されているのが、都市の発展に整備が追いつかないというものです。多くの人が仕事などを求めて都市に集まってきますが、その都市の開発、整備が追いついていないということです。水道管などのインフラが整っていないので、水問題が発生してしまうのです。
【急激な発展がもたらす悲劇】
ネパールは開発から取り残された国――後発開発途上国――だと言われています。そもそも人々が街に集まることで経済は発展します。人が集まることでそこで雇用が生まれ、消費が行われるのです。
そのため人が都市に集まることは発展には欠かせません。ネパールでも人々は少しでも生活が豊かになることを求めて、職を探しに都市に集まってきます。しかし都市に人口が集中した結果、水問題と言う別の開発の問題が起きてしまうのです。
表面的に政治が悪い、都市整備が追いつかないのは行政に責任があるというのは簡単なことです。
しかし問題の背景まで意識すると、経済的な豊かさを得るために都市に多くの人々が流入せざるを得なかった状況も見えてきます。そのこともよく考える必要があるのではないでしょうか。
「都市化」は必ずしもすべてをよくしてくれるわけではない、これを忘れてはならないということをネパールの水事情は教えてくれます。
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