- 2011/12/29
- 文: 松元祐太
- 記事No: 00028
「なつ地図祭り」で懐かしい未来を実現しよう!【後編】
【なつ地図祭り当日】
本番の8月13日はお盆まっただ中。南三陸町では「こども夢花火」というイベントも同日にあったため、町全体が賑わいを見せていました。
9時。徐々に人が集まりだします。私たちは来場して下さった方々を地図が広げてある会議室に案内しました。会場いっぱいに広がる「なつ地図」。
会場ではそのままプロのファシリテーターの方が来場者向けにワークショップを始め、みなさんの過去を探り始めました。みんなで地図の上で寝転がり、過去に思いを馳せます。
――桜の名所といえば志津川高校への通学路。みんなで一緒に見に来たね。
――あっ!よくここでのお祭りで綿あめ食べた!
初めは震災に心をひどくいため、悲しかったことばかりを口にされたり、このような「お祭り」ということに抵抗感を示されたりする方もいらっしゃいました。ですが、そのような方々も最後にはふっきれたように過去の思い出を懐かしそうに話し続けており、その様子は印象的でした。
【懐かしい過去を振り返り、新しい未来を創りだす】
夜になると、来場者の方々はこちらが用意したお茶っこブースでおいしそうにアイスを食べながら、盛大なゆめ花火の光景を眺めて夏の一時を楽しんでいらっしゃるようでした。
なつ地図祭りを通して思ったことは、思い出は色褪せることなく、むしろ地震や津波によって燦々と輝き放っているということです。思い出を振り返る、というのは何もセンチメンタルになるためではありません。当時の様子をこのアイデアをもとに再現しようと思っているわけでもない。
それはこれからのまちづくりに活かしていこう、ということです。行政だけにまちづくりを委ねていられない!こうした町民の思いからはじまったこのイベントは、一つの形になりました。
あの暑い夏の日に、みんなで記した思い出の地図。懐かしい過去に目を向けて、そこから未来を創造しよう。
「なつ(懐・夏)地図祭り」ここにはこのような思いが込められています。
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