- 2011/12/26
- 文: 過足央
- 記事No: 00027
タイってどんなところ?~地震からの復興と現在~
今年の7月に台風による大雨を契機として始まったタイの大洪水は、日本でも広く報道されました。今回は、タイのプーケットへ赴いた過足(よぎあし)編集員による記事をお届けします。
【値引き交渉が意外と楽しい】
11月下旬の、タイ・プーケット。この時期はタイでは寒期にあたるため、雨が少なく、昼はカラッとしていて夜は涼しいです。
首都バンコクでは洪水被害により、日系の半導体メーカーが操業再開を断念するなど、悲しいニュースが続いています。ですが、一方でこちらはさすが世界的リゾート観光地、全くと言っていいほど、蒼く広がる海はその雰囲気を感じさせません。
色鮮やかでいかにもアジアの雰囲気を感じさせる商店街、世界的ファッションブランドも入っているショッピングモール「ジャンクセイロン」など、外国人観光客を中心に昼夜を問わずとても賑わっています。
さっそく円をバーツに替えて、カメラを片手に街をぶらついてみました。夜の繁華街、主に男性向けのお店の客引きの激しさ、露天商がびっくりするような値段でふっかけてくる謎の置き物、「ぼく話せるよ!」といいながら全く聞き取れない英語……。言語に関しては、タイ語で挨拶、日本語・英単語の羅列、表情、身振り手振りを組み合わせていけば全く問題ありません。
プーケットは、どこか生きている実感を味わえるような、そんなところではないかと思います。
【その過去に――スマトラ島沖地震からの復興】
このように現在は活気であふれるプーケットですが、2004年12月26日に発生したスマトラ島沖地震(M9.0、震度5弱~6弱、津波の波高は場所により2~10m)によって、大打撃を受けた過去があります。津波はインドネシア、マレーシア、タイ、ミャンマー、スリランカ、インド、モルディブ、ソマリア、ケニアなどにまでおよび、最終的に死者約22万人、行方不明者7万7千人、負傷者13万人という大惨事になりました。
プーケットもこの大津波により、海岸隣接地のレストラン、ホテル、商店街、住宅地が破壊され、多数の死傷者を出しました。
震災後、意外にもプーケットは急速な復興を遂げます。早い段階で震災前の観光客水準を回復します。パトンビーチでは美しいビーチロードが整えられました。タイ政府の観光庁や航空会社のキャンペーンも行われました。(詳しい復興過程は、さまざまな論文に書かれているので、こちらでは割愛します)。
やはりプーケットにおける観光は、地元住民にとって根幹となる産業であるため、政府、住民が本気で復興に携わったと考えられます。これは、東日本大震災での観光地の復興のにとても参考になる可能性があります。
【東北の沿岸地域】
東日本大震災から9ヶ月あまりが経過し、だんだんと被災地のニュースはテレビ・新聞にのぼらなくなり、ある意味、「日常」を取り戻しつつあります。しかしながら、東北の沿岸地域に一歩足を踏み入れると、ところどころで人や活気が戻ってきていますが、東北の沿岸地域に一歩足を踏み入れると、まだ3.11の瞬間から時が止まっているようにも見えます。徐々に注目が薄くなっていくこれからが、継続的な本当の復興や、支援の始まりなのではないでしょうか。
この記事についてtwitterでつぶやく!Tweet