- 2011/2/27
- 文: 松元祐太
- 記事No: 00003
- 参考: 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド
食べ物のこれからを考えよう!【前編】
~バイオ燃料って何?~
2008年の世界の穀物生産量は約22億トンと、過去最高を記録しました。しかし作られた物全てが人々の口に直接いくわけではありません。穀物がどう消費されるかは次のようになっています。
■穀物消費の内訳(2008年)
穀物として直接食べる 47%
家畜の飼料として使う 35%
その他 18%
(加工でんぷん、甘味料、バイオ燃料など)
出典:国連食糧農業機関(FAO)
このように直接食べられるのは半分以下です。35パーセントは家畜を通して間接的に私たちの口に入りますが、数パーセントはバイオ燃料という食とはちょっと関係ないものに加工されています。
【バイオ燃料ってなに?】
そこで今日は今後のエネルギーを担うバイオ燃料を取り上げてみましょう。これはCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議 *)に関するニュースの中でも取り上げられ、CO2排出量が少ないため石油に代わる次世代のエコロジーな燃料だと期待されています。
またバイオ燃料の利点として、天然資源とは異なり人工的に生産できるということが挙げられています。石油などの天然資源というものは採れる場所が偏っているため、昨今の尖閣諸島の問題のように資源を国同士で争っています。そうすると安定した供給ができるのか心配されています。
そこで注目を集めたのがバイオ燃料でした。
ではそのバイオ燃料はどのようにして作られるのでしょうか? 主な原料はさとうきび、とうもろこし、小麦などです。他にも用途は異なりますがココナッツや食用油も原料になります。つまり身近な穀物が原料となるのです。そこから発酵などによってアルコールと姿を変えることで燃料となります。
そして穀物から作られたバイオ燃料は主に乗り物の燃料として使われます。
バイオ燃料で走る車はガソリン車よりもCO2の排出量が70%少ないというデータもあり、バイオ燃料100%でも走る自動車がブラジルで発売されました。また自動車だけでなく、飛行機が飛ぶようなバイオ燃料も開発されています。
【バイオ燃料は救世主?】
さらに穀物は世界中のより広い場所で作れるため、資源をめぐる国同士の争いも避けられそうです。このようなよい面ばかりを見ると、「私たちの未来は明るいね!」「石油なんてなくなったっていいじゃん!」と、言う人がいるかもしれません。
ところがそうはいかないようなのです…。(後編に続く)
* COP10とは?
国際条約を結んだ国が集まる会議(締約国会議)のことを「COP(Conference of the Parties)」と呼びます。「COP10」とは、2010年10月に愛知県で開催された国際条約「生物多様性条約」の10回目の締約国会議のことで、多様な生き物や生息環境を守り、その恵みを将来にわたって利用するための取り決めがなされました。
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この記事は 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド様の情報を参考にさせていただきました。
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