- 2011/2/27
- 文: 松元祐太
- 記事No: 00004
- 参考: 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド
食べ物のこれからを考えよう!【後編】
~世界に食糧ってどれだけあるの?~
【前編のおさらい】
Q.バイオ燃料ってなに?
A.CO2排出量の少ないエコロジーな燃料です。
Q.バイオ燃料はどうして注目されるようになったの?
A.天然資源と違って、安定した供給が期待されるからです。
Q.バイオ燃料はどうやって作られるの?
A.主にさとうきび、とうもろこし、小麦を発酵させて作られます。
Q.バイオ燃料はどのように使われるの?
A.自動車や飛行機などの移動手段に使われます。
Q.バイオ燃料は救世主?
A.残念ながらバイオ燃料は万能ではありません。詳しくは後編で!
【どうしてバイオ燃料は問題なの?―飢餓と環境―】
なぜバイオ燃料は私たちの未来を明るく照らしてはくれないのでしょうか? それは食べ物に困っている人たちをより苦しめ、環境にも悪影響を与える恐れがあるからです。
まず大事なことは米や麦よりもとうもろこしの方がよりよい燃料になるということです。そして、バイオ燃料は生産費用を下げるために同じ穀物を大量に生産しなければなりません。このことからバイオ燃料をたくさんつくるために、米や小麦にかわってとうもろこしが大量に作られることになるでしょう。そうすれば食べるためのお米や小麦が減ってしまいます。
今、世界の飢餓人口は9億2500万人とも言われており、世界では6人に1人が飢餓に苦しんでいます。ところがバイオ燃料の需要が増えれば、食べ物としての穀物は減る一方です。バイオ燃料をたくさん作ることで、車や飛行機を使う人たちは大きな恩恵を受けますが、それらをあまり使わない多くの人たちは、食べていくことにより苦しむと考えられています。
前編でエコな燃料だということもご紹介しました。しかしこのバイオ燃料は環境にも悪影響を与えるかもしれません。というのもバイオ燃料をより多く作るためにはより広い畑が必要です。ブラジルのアマゾンでは畑にするために森を燃やして開拓しています。CO2削減!といってバイオ燃料を開発しても、森を破壊してしまうとその分CO2は増えます。バイオ燃料を使うことはCO2を減らすけど、作るためにCO2が増えてしまう。これでは本末転倒ですよね。
【バイオ燃料と私たち】
バイオ燃料は確かに素晴らしい技術です。石油がなくなっても車は使えるし、飛行機も飛ぶのですから。しかし飢餓の問題、環境の問題と一緒に考えると万事解決!とはいかないようです。かといってこのまま天然資源を使い続ければいつかは枯渇してしまい、次世代を担う人たちにとって深刻な事態に直面するでしょう。
バイオ燃料のいいとこを取り込みつつ、悪い所については同時に対策も行う。このことが大事なのではないでしょうか。例えばハンガー・フリー・ワールドがおこなっているような飢餓対策や、 HANDSのアグロフォレストリーなどのように環境と人の両方に優しい農業取り組みを行っていく必要があるでしょう。
バイオ燃料をきっかけに、これからのエネルギー問題――エネルギーと私たちの「上手な付き合い方」――を考えてみませんか?
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この記事は 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド様の情報を参考にさせていただきました。
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