- 2011/10/28
- 文: 松元祐太
- 記事No: 00018
子どもと教育【2】
~フィリピンにレバレッジ!~
前回、貧困と教育の関係について書きました。
貧困を解消するためには、ただやみくもにお金を渡せばよい、というのは迷信です。それよりも、問題を大きく改善することがきる別の力点があるのです (この一見別の力点を押すことを、「レバレッジをかける」といいます)。
そして、その別の力点こそ「教育」なのです。
高い教育水準で教育を受けた人は、高い水準の雇用を得ることができます。それによって彼/彼女らは誇りを持って生きていくことができるでしょう。さらに、教育によって貧困を脱した人は、子どもにも高い水準の教育を与えようとする。結果、どんどん貧困レベルが改善されていくループへと変わっていくことになります。
フィリピンは実質経済成長率が7%ほどあるものの、失業率は7.4%、半失業率(注1*)も18.9%ほどあります。貧困の割合を表す貧困率も全国平均で32%、地域によっては60%を超えます。同時に、貧困層が集まる家庭では多くの人が小学校しか卒業しておらず、学歴が低ければ低いほど、所得が低い傾向があります。(注2**)
こうした状況にいかにして取り組むべきでしょうか。教育を改善すればいいというのは上に述べた通りです。ではどうやって?
具体的な取り組みとしては教科書の配布があります。人口が増えていく傾向にある中、現在フィリピンでは8人に1冊しか教科書をもらうことができません。全員が当たり前のようにもらえる日本では考えられないことです。
フィリピンで全員が教科書をもらえるようにするには、あと5900万冊の教科書が必要だと言われています。それだけ貧困の根は深いのです。しかし教育を変えれば貧困が解消されるというのは、前話のTeach For America(TFA)が実証しています。
これまで貧困問題に取り組む、というのはあなたにとって遠い活動だったかもしれません。しかし今ではそれは簡単に行えます。ひとつ方法をご紹介すると、LOOB(ロオブ)の活動をサポートすることで、フィリピンの教育だけでなく、フィリピンの貧困問題を解消することになるでしょう。
小さな力で、大きく動かす。あなたの活動で、大きくフィリピンに貢献してみませんか?
(注1*) 半失業率:普通に雇用されている人と同程度のスキルを擁しながらも相当に低い賃金で雇用されている者。
(注2**) いずれのデータも、国際協力銀行『貧困プロファイル(要約版)』を参照。
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