- 2011/12/10
- 文: 井上隆弘
- 記事No: 00024
動物をどうやって保護するの?【前編】~地球上から動物が減っていく~
【地球上には、何種類くらい動物がいるの?】
多様性――地球上には多種多様な動植物が生きており、私たちはその多様な動植物のおかげで日々恩恵を受けています。
例えば「カラノライドA」という、エイズに効果のある薬があります。アメリカの国立がん研究所によれば、この薬は熱帯雨林にあった木からできているそうです。普段は意識せずとも、このように私たちは多くの種類の自然の力を借りて生きています。
ところで、みなさんは地球上に何種類の生物がいるか知っていますか?
答えは現在確認できるもので、175万種です。まだ見つかっていないものを含めれば1000万種以上いるとも言われています。
ところが、その一方で毎年1万から5万種もの動物が絶滅していると言われています。商取引を目的とした乱獲や鳥獣被害の対策としての駆除、地球温暖化などが主な原因とされています。これらのことからわかるのは、多くの種を人間が絶滅に追いやっているということです。なぜなら、人の手の入らない自然の状態であれば、絶滅する生物は年に1種から10種程度であるからです。これをみなさんはどう考えますか?
【絶滅させちゃいけない。でもなぜ?】
種の絶滅が起きるとなぜ問題になるのでしょうか?何が問題になるのでしょうか?意外と答えるのが難しかったりします。
その答えの一つとして、生物の種類が少なくなると残された生物がより暮らしにくくなってしまうという問題があります。生物はそれぞれお互いを住みやすくするような役割を果たしています。水をきれいにしたり、他の生物の食料を生み出したり、酸素を作ったり……。その役割がきちんと機能しなくなってしまうと、様々な問題が生じてきます。そしてそれは私たち人間にとっても決して無関係ではありません。
先に述べたように絶滅の原因は種によって様々です。しかし、絶滅危惧種を自然環境問題の一つのシンボルと捉えて対策を考えることで、それは他の種さらには自然全体に対する対策につなるのではないでしょうか。
次回は、絶滅を阻止するために、これまでどのような取り組みがなされてきたのかをご紹介します。お楽しみに!
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